鼈を食らう

いよいよ今年もあと二た月を残すのみ。そろそろエンジンを掛けねばなるまい。
今月は二つの県外催事。後半の東京展の前に、今日と明日の二日間、いつもご贔屓になる宮川町のしげ森さんのお座敷で小さな展示会をさせていただく。


夏の京都展では一般のお客様向けの品も揃えるが、今回は芸妓さん向きに絞った品揃えで望む。
彼女たちは正装のお引きずり以外は「からげ」と言って小紋や付け下げを主に着るが、場合によっては「かたもん」と言って織りの着物を着る事もある。

五花街で微妙にドレスコードは異なるが、宮川町では「ごはんたべ(ご贔屓の同伴で食事に行く事、もちろんその間もお花代は発生)」の中でも比較的気楽なお店の時や、油やお汁の飛ぶ危険性のある鍋料理の時には織の着物を着る事が多いそうだ。

今日は初日を終えて、しげ森のふく笑ねえさんと、若手の中でも舞踊の名手である叶千沙ちゃんを連れて久々の「大市」へ。


言わずと知れた鼈料理の名店である。


待合には私の大好きな夷斎石川淳先生の額。志賀直哉の暗夜行路にも名前の出て来る歴史遺産みたいな店だが、やはりすっぽんはどこで食べても、この店にはかなわない。


他の店では豆腐や葱などを入れる事が多いが、ここは一切入れない。ひたすらすっぽんのみの潔さである。


ただし雑炊には餅と卵黄が入る。

会計をしていると、一昨日ごはんたべに行った美代治ちゃんが他の部屋から出て来てばったり。綺麗どころ三人で記念撮影。


明日に向けてしっかり滋養を付けた一夜であった。

呉服・着物・和装 高知県高知市 (c) ごふく美馬.