新年会その二

今日は大阪松竹座夜の部を観劇後、幸四郎丈主催の新年食事会にお招きをうける。

会場は松竹座隣の肉専門店「はり重」。
ここは精肉店を中心に、すき焼き、しゃぶしゃぶ用のお座敷、ステーキなどの洋食屋、カレーや軽食のコーヒーショップの四つのブースに分かれている。
いつも表から重みのある焦げ茶色の、楼閣のごとき建物を仰ぎ見てはいるが、中へ入るのは初めてである。階段や廊下から座敷にいたるまで景気の良かった「昭和」を感じさせる。

特に廊下の途中にある、白砂から竹が生えている辺りの風情は、いかにも高度成長って感じであり、別の部屋で芸者を揚げてパーっと宴会をやつている森繁社長やのり平部長がトイレに行くところへ出っくわし、「これはこれは」なんて挨拶するのを空想してしまう。

各人がすき焼きかしゃぶしゃぶをあらかじめ選んでおく方式で、私はすき焼きを頼んでおいた。
幸四郎ご夫妻、染五郎さんもすき焼きだったので、四人で一つ鍋を囲む。
紀子夫人の本日のお召し物は当店からお納めした本結城。これをお買上げいただいた頃は東京の展示会もまだほとんど顧客が無く、紀子夫人が来て下さらなかったらマジ赤字であった。
そんな時に買っていただいた結城だから、見るとその頃を思い出して身が引き締まる。


幸四郎丈の為に特に念入りに選ばれたらしき肉は特上の物で、とろける美味さ。青々とした葱が、あまり火を通し過ぎずに食べると絶妙。高麗屋一門はあまり飲まない党なので、ひたすら食べて一時間でぺろっと平らげる感じ。
私はあまりすき焼きを外で食べない方なので、比較出来ないが、とにかく美味かった。
うちは割り下を使わず砂糖、醤油、酒でやるが、やはり割り下の方が失敗がないし、簡単に調節が出来ていいと認識を新たにした。



解散後は染五郎さんと飲みに宗右衛門町のスナックへ。ママが徳島の人で、全国的に有名(らしい)高知の帽子パンについて聞かれたが、私は全然好きじゃないし、地元でもそんなに皆が食べるわけじゃない、というと意外そうな顔をされた。
明日は昼の部を観てから新幹線に飛び乗って東京へ向かい、夜はシアターコクーン、松たか子主演「十二夜」観劇である。

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