鶏口牛後

今日は松竹座昼夜通し観劇の為、朝から京都駅へ。

先日改札内にある喫茶店で飲んだコーヒーが思いがけなく美味かったので、今日はモーニングを食べてみようと再訪。これがまた期待以上の出来。


まず、たった百円ちょっとで追加出来るミネストローネが、こんな場所の、このコンセプトの店としては、ちょっとないレベル。しょうもないレストランで出て来るようなのよりずっといい。トマト多目で油っこくなく、酒呑みの朝の味噌汁がわりになる一椀である。


そしてトーストは正しくこんがりキツネ色であり、ゆで卵が賢明な出し方である。
これも、三流のホテルの何が入ってんだか分からない厭な甘味の有る怪しげなスクランブルなぞよりずっといい。
そして、一番有り勝ちな、残念サラダが付いて来ないのもまことに快い。
パサパサのキャベツとヘナヘナのきゅうり、ぐにゃぐにゃのトマトに、あの全国共通の不味いドレッシングのかかったのを出された日には、一日の出鼻を挫かれる。

そしてコーヒーは相変わらず美味い。
全国制覇した有名チェーンの様な、重過ぎるコーヒーでなく、さらっと食道を通るクリアな味である。

ほぼ完璧に近い。
駅の喫茶店などと言うのは、他に選択肢がない故に、美味かろうが不味かろうが、客は仕方なしに入るので、競争は無し、営業努力は無しで、内容は惨澹たる物、と言うのが多い。
コーヒーなど出がらしの様な、酸っぱい様な、一口飲んだら二度とカップに手が伸びない様なのが平気で出て来る。

しかるにこの店は大いに逆の意味で予想を裏切る。
経営者に会って激賞したいほどの、これはこれなりの三ツ星である。

「鶏口となるとも牛後となるなかれ」

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