赤木さん

昨日は当店のお得意様でもあり、私が中学時代から器を買わしてもらっている高知市のテーブルギャラリーさんで漆作家の赤木明登さんの個展があり、初日のおもてなしとして赤木さん自ら御茶席を持たれ、手打ちそばのご馳走まであると言うので嬉しく駆けつける。

結婚祝いにテーブルギャラリーさんから赤木さんの作品をいただいているが、自分では求めた事はなく、今回は何かいただくつもりで出掛けたが、台付き五枚重ねの盃が一目で気に入り、購入。来年のお正月にお客様に一献差し上げるのが今から楽しみである。




続いて立礼席にて薄茶をいただく。結構な人数のお客様だったにもかかわらず、赤木さんは点て出しをせず、一碗一碗自らお点前をして下さった。


何事にも手早く省略が当たり前になった現代において、漆という地道な仕事を追求されている赤木さんらしい、心のこもったもてなしであった。

お茶は無農薬のお茶との事で、現在流通している普通のお抹茶と違い、化学肥料を使ってないので甘味が少なく、利休や秀吉が飲んでいたのはこういうお茶だったかと感激。

赤木さんが自作と物々交換して集まったという現代作家の茶碗が楽しく席を巡る。中でもルーシー・リーに良く似た茶碗が私の目を捕らえた。聞けばルーシー写しとの事。


次いで駐車スペースに設けられたそば席にて、赤木さんのお弟子さんが打たれた絶品の蕎麦をいただく。
最近では高知の蕎麦屋もだいぶレベルを上げて来たが、せんばんツユがいただけない。


今日のは本格。正しく醤油色の辛つゆである。蕎麦は岡山産の新蕎麦だそうで、中国地方の蕎麦は初めて食べたが、クセの無い戴きやすい味であった。薬味も本山葵と白ネギで言う事なし。

こんな蕎麦屋が高知に有ったら毎日通うのに、というくらいの高レベルであった。

毎月と言わないまでも、せめて年に数回、こうした集まりがあれば、それだけでかなり豊かな充実感を得られると思う。

スローな高知の暮らしに、ひと刷毛加えれば、都会の人には得られぬ真の「ゆとり」が生まれるに違いない。

先達吉村泰輔氏命名の「国民休暇県」を、客も自分も楽しむ文化として、今こそ再認識するべき時であろう。

自分たちの魅力を知らなすぎる土佐人の、ここが正念場である。

呉服・着物・和装 高知県高知市 (c) ごふく美馬.