酔言猛語

第九回松鸚会に出演

国立大劇場において市川染五郎丈が家元として率いる日本舞踊松本流の舞踊会「第九回松鸚会」に河東節連中の一人として出演、名曲「邯鄲(かんたん)」の演奏に加わりました。

長いお付き合いですが、染五郎さんのバックで唄うのは初めてで、さぞかし緊張するかと思いきや、不思議な安心感に包まれ、立方と強い絆で結ばれているようなたゆたい心地で無事一曲を唄い納める事が出来ました。

思えば十四年前、染五郎さんが松本流の家元を継承するにあたり、記念の一曲に選んでくれたのが、私のこよなく愛するこの曲でした。

その折り、幕が降りるや否や翔り寄ってきて、「十年後にもう一回やります」と言ってくれたのを、何年たったか勘定もしなくなった昨夏、我が師山彦節子の出演を打診していらした時は嬉しくもあり、卒寿を迎える人間国宝を説得するにも力が入った次第でした。

魯生の夢、として知られるこの中国のお話は現代人にも大いに教訓を与えてくれるもので、私はこれを半ば人生訓にしております。

ご興味のある方はいずれ放送されますCS歌舞伎チャンネルの松鸚会の特番をご覧下さいませ。