初床
何も艶っぽい話ではない。十年以上も京の都に上っていながら、床と言う物を味わった事がなく、しょことなしに自分で段取りし、若手呉服連を募っての宴会である。
女子の参加が少なかったのは残念ながら、男の着物姿がズラッと並んだ様はやはり壮観であった。
京都人がほとんどであるにもかかわらず、皆初体験に等しく、いい機会になった。
暑がりでは人にはひけをとらぬ私だが、ああいう自然の暑さは全く平気である。むしろこれが昔の人が涼を求めて始めた事だと思うと、実に考えさせられる。その気にさえなれば、昔を温める事はいつ、どこでも出来るのである。