七月その二
今月二枚目は京都の「小袖屋」製のオリジナル綿シルクのよろけ縞です。
元々は洗える単衣襦袢として開発された商品ですが、「小袖屋」の社長が作務衣で着ているのを見て強度は問題なしと思い、夏の着物として仕立てました。
紗の様に糸と糸の隙間は無く、目が詰んでいるので風が吹き抜ける様な涼しさはありませんが、なかなかの着心地です。
現代の気温なら、むしろ梅雨時の洗える着物として活用した方がいいかも知れません。
幸田文さんの娘の青木玉さんが「今流行りの雨コートの生地を母が見たら早速雨の日用の着物に仕立てて試した事でしょう」とずいぶん前に書いてらっしゃいました。
そういう「進取の気質」というのは大事だと思います。
ただし幸田さんの様に、伝統の本来のかたちを深く深く知った上で。