ほめられて
昨夜はいきつけの寿司屋でビール中瓶一本、熱燗一合、焼酎ロック三杯というまことに尋常な酒量だったのだが、何故か凄い宿酔。
最近どうも酒が残るのは歳のせいか、肝機能低下か。
だるだるしく着替えて店へ出勤すべく為マンションのエレベーターホールへ向かいながら、歩き方が悪いらしく異常に外側だけがすり減って知り合いの木工所で水平に削り直してもらって極薄になっている下駄が、カタカタと硬い音を立てて響くのを聞きながら、こりゃ下駄屋でゴムを貼ってもらわなきゃならんな、と思いつつエレベーター前に辿り着くと、珍しや三人もの住民と鉢合わせ。
まずは初老の男性が「いいねえ、やっぱり下駄の音は」と言う。
続いて女性が「まあー、素敵ですねえ、男性の着物姿!」
エレベーターへ乗り込んでからも「このマンションに住んで初めて見ました。粋ですねえ」などと言われ、狭い空間で三人の視線が熱く、一階までの時間がかつてなく長く感じられた。
かなり厚かましい私も流石に面映ゆく、店の宣伝は愚か、顔もまともに見ずに、そそくさと逃げるように降りたのであった。
さとにはうぶな…
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