私のいきつけ8 華珍園
このシリーズも大分回を重ねたが、まだまだ大御所が残っている。
満を持しての登板は、ご町内であり、実食回数ではダントツである「華珍園本店」。
言わずと知れた高知の中華料理の総本山であり、現在県内各地で営業している中華料理店のかなり多くの主人が華珍出身者である。
私の定番はやわ焼き(軟らかい焼きそば)、鳥の唐揚げ香味ソース、焼きビーフン、海老そば、五目そば、中華飯、揚げそばなど枚挙に暇がないが、何と言っても不滅の一位は「海老天津飯」である。
もちろんこれはメニューには無い。
天津と言えばカニであるが、私はこれを海老でやってもらう。
華珍の天津飯の玉子のふわふわには、蟹の細い繊維質よりも海老のプリプリ感の方が良く似合う。
ここのポイントは何と言っても油である。
新しい油の旨さ。
私の知り合いのさる有名菓子店の店主が、日々自分のスローガンやら社員に対する訓示めいた言葉を書き連ねるホワイトボードに「そんな事より油を替えろ」と書かれた話は私の回りでは有名だが、やっぱり油はほどほどで替えなくてはならない。
ある程度までは風味が付いてサラより旨味が増すが、一定限度を越えるといただけない。
ことに天津飯のまさに「玉子色」を出す為には古い油はもっての他である。
そして神戸、じゃないスープ。飯。
これらが揃って名物「天津飯」は出来上がる。
変わらぬ味、という物を代々継承して行くという事は、まことに至難の技である。
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