窪川名物
昼のおかずに窪川名物「水口の天ぷら」を買いに行く。
この店は元々私の家のすぐ近所にあり、子供の頃からおかずにつまると「水口買うてこう」と言って買いに走る常備食の様な物であった。
お福さんの様な風貌に甲高い声、どこまでも続く青空の様にカラッと明るいおばちゃんと、無口なおんちゃん、それに跡を継いだ三代目若の三人が、汗みどろになりながら天ぷらを揚げ、たこ焼を焼いている。
「地道に働く」という事を絵に書いた様な、実にまっとうな、商いの原点を感じさせる店である。
ガラス越しに品定めしていると、「コロッケにアジ、エビ、いか、玉ねぎ、ささみにお芋!」と名調子でおばちゃんが畳み掛けてくる。
今日は子供の頃から一番の好物であるささみといか、そして名物のコロッケを買う。
何にもかけないキャベツが水口の天ぷらには一番良く似合う。
コロッケの懐かしい甘味、イカの柔らかさ、そしてささみの歯応え。久々に堪能。
こういう店が一軒でも多く残っている事が地方自治体の財産である。
場所はJR窪川駅を背にしてまっすぐ坂を降り、初めての四つ角を右。赤いテントが目印。
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