偏愛的女優論 序
「女優」
ある人には華やかに、ある人には艶かしく、またある人には重いその呼び名。
私の思春期は、およそ「女優」と共にあったと言って良い。
小学一年で高峰三枝子に出逢い、三年で杉村春子、五年で山田五十鈴というドツボに嵌まり、「演じる女」というものに取り憑かれた。
小学六年の時には女優ベストテンなる物を著し始め、以後二十歳前まで続けている。
その常連は。
高峰三枝子
杉村春子
山田五十鈴
沢村貞子
山岡久乃
岸田今日子
加藤治子
毛利菊枝
原泉
赤座美代子
などであった。
何故か庶民的で優しい「日本のお母さん」といったタイプは選に洩れている。
これは私の中の「女はえげつのうてなんぼ」と言う、シビアな眼を物語っている。
しかし、この女たちはいずれも美しい。妖しくもまた、なお聖女のごとく。
順を追って書いて行きたいと思う。
「をんな」なるものを。
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