涼麺五趣
個別に取り上げられない冷や麺五趣を纏めてご紹介。
まずはいきつけの筆頭格ながら未だ本欄未登板の帯屋町「つちばし吉右衛門」の夏メニュー「冷やしたぬき」。
夏の宿酔、食欲不振にはこれである。
甘ぎつねと生姜が、弱った胃腸を鼓舞し、何とか箸を取らせる。
これでもう少し麺が軟らかかったら言うことないが、ここはこれである。
二番手は我が町窪川の名店「味覚」の冷麺。
今の私にはやや甘めのタレだが、小学生の時から慣れ親しんだ味である。ケン突きで突いたキュウリが独特。
三番手は我が店のご町内、柳町の名店「くろちゃん」の「冷やしうどん」。
じゃこ出汁のつゆに、「これでもか!」と言わんばかりの、てんてんてんこ盛りの生姜が盛られて来る。
ほて暑いさなかに、塩さばや煮物にご飯、その上にこれが食べられればまだ当分生きられる、と言う自分の余命を測るバロメーターでもある。
四番手は先日松竹座観劇の幕間に食べた道頓堀「今井」の「白雲そば」。見た目は涼しげだが、やはり鱧と麺類を合わせるなら「鱧にゅうめん」だろう。
冷や出汁と梅肉が、合いそうで合わない所が料理の奥深いところである。
そしてドンジリは京都展会場の六盛さんで、我々スタッフ用に出された素麺である。
素麺自体はごく普通のものだが、この盛り付け!
四角い器に大王松を思わせる「直線の美」。
私は接客の為だいぶ時間が経っていただいたが、氷と盛り付けのおかげで美味しくいただけた。
日本にはこの様に冷や麺の様々なバリエーションがある。
奥深く、一生かけて追い求めるだけの値打ちのある世界が、そこにはある。
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