逸青会終わる
あっという間だった。
昨秋、第二回伝統芸能の夕べの終りの挨拶で「次回は日舞と狂言のコラボをやります」と宣言して自分を追い込み、年末年始を挟んでの正味三ヶ月は、あまりにも短い準備期間であったが、どうやらこうやら漕ぎ着けた。
完売こそ出来なかったが九割を超す席が埋まり、お客様からも絶賛の嵐で、結果としては上々と言わねばなるまい。
作良し、配役良し、もとより自分の目で確かめ、惚れ込んで招んだ青楓・逸平の二人会だから、これを観て「いい」と思わなかったら観る方の感性がおかしいのだ、と思ってはいたものの、予想以上の反応に主催者としても感無量である。
しかしそれは、無論私の力でも何でもなく、地方であってもお客様を「恐い」と思い、一期一会の舞台にひたむきに取り組む二人の姿が客席を一つにし、滅多にない「やわらかな、それでいて芯の有る」一座建立を成し遂げ得たのである。
むろん、華もあり、鍛え上げた芸もあり、その上の真剣勝負であってこそ。
伝統芸能を博物館の陳列物でなく、「今に生きる」ものとして発信したい、という二人の熱い思いに共感し、この会が開けた事に、深く、深く感謝して土佐鶴を飲む美馬であった。
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